今日はちょっと真面目なことを書こうと思います。
facebookをはじめとするSNS、そしてブログなどでは人間の全体像は伝わらないものです。
私自身も、かなり誤解されているところがあるようです。実際に会ってみると「もっとバリバリした人かと思った。」と言われることも多いです。

今年はいろいろなプロジェクトにお声がけいただき、実際に参加しています。
外からみている皆さんはこんな風に思っているようです。私という人間は自信満々で、オファーがあれば「私やります!できます!」とお返事していると。そうでもないです。

例えば、ちょっとお茶の話をしてもらえないかとお話をいただくことがあります。
イベントなどでおしゃべりをしていて、「お茶って本当に面白いんですよ。私もつい最近まで○○だと思い込んでいたんだけれど実はね…」なんて話が弾んだりします。すると「今の話はとても面白かった。今度のイベントでそのままお話ししてもらえないかな?」なんてご縁が繋がっていったりもします。
そういうときに私は「私はまだお茶を勉強しはじめて日が浅く、ベテランの方のようには知識も経験もないですよ。」と正直に言います。「だからきっちりとお茶を教えるということはできないかもしれないけど、自分の経験から”お茶って面白いよ”と一緒に楽しんだりすることはできると思います。」「もっとちゃんと知りたいと思った方には、”こういう講座がありますよ” ”このお茶屋さんに行ってみるといいですよ”と、私よりも良い先生にお繋ぎしますね。」とお話しするようにしています。決して、何でも教えられるような立派な先生じゃないよと知っていただいた上で、お引き受けするようにしています。それでもいいから来て、といわれることがあります。私の失敗談や、いままでお茶について思っていた勘違いなどが、みなさんにとってヒントになるからなんだと思います。

自分なりに、これが私の使命なんだろうと考えていることがあります。
それは、「お茶に興味のない人たちを、<お茶って面白そうだな、お茶を知りたいな>という入り口へ導く」という役割です。そして「入り口に導いた人たちを、もっとお茶の知識がある方のもとへ送り込む」ということです。だから、お茶とは関係のないイベントも含めて、たくさんの場所に出没して、お茶の面白さをお話ししたいのです。私が話せるのはほんのサワリの部分ですけれどね。

そんなふうにあれこれやっていること、お茶をわかりもしない素人がと、苦々しく思っておられる方もいるのかもしれません。
世の中は意外に狭くて、うっかり身に余る大役を引き受けると、「できもしないのに」と叩かれるのだろうなと思います。(まだ面と向かってなにか言われたりしたことはないですが。)いつかそこそこ叩かれるのは覚悟してやってます。ですが自分は「お茶のプロです。何でも分かります」と偽って役を引き受けているわけではないですし、オファーしてくださる方は「ひょんな事からお茶にハマってしまった好奇心旺盛なお茶好き人」を求めている場合が多いので、それは自分に適した役割ではないかなとも思っています。


もうひとつ、自分の役割は「業界の人はわかるけど、一般の人はわからないこと」のギャップを明らかにすること
です。わからないことはカッコ悪いので、みんなそんな役はやりたくないわけですけど、ここをやる。あえてやる。「それ、わかりませーん」と手をあげて、業界の人に気づいてもらうようにする。アホっぽいですけど。お茶っぱが古くなった匂いってどんな匂いか、わかっている人少ないですよ。私が「この前までわからなかったでーす」っていうことによって「ああ、ここまで戻って説明してあげなきゃいけないんだな」と思ってもらえたり、別の場面では「一般の人も意外とわかってるな」と認識してもらえたり、そんなふうだといいなと思います。……炭鉱のカナリア的な役割ですかね。けっこう自分のダメージ大きそうですけど、そういう役割なので。

能天気なひとに見えるみたいですが、案外悩みながらやっています。
賢い人は世の中にたくさんいるので、そっちはみなさんにお任せします。
そもそもメシの一度も一緒に食ったことがないのに私がどんなやつで何を考えているか
なんてわかるはずもない、というのが私の持論ではありますが、
たまには自分のあたまのなかをちゃんとお話ししておいたほうがいいだろうと
思いまして今日は長々と書きました。

愚直であれ、そして勇敢であれと、いつも自分に声をかけます。